40代・50代レディースの高級喪服|後悔しないブランド選び

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40代・50代レディースの高級喪服|後悔しないブランド選び

40代・50代になると、これまでの喪服がなんだか似合わなくなったと感じたり、立場にふさわしい一着を持っておきたいと真剣に考え始めたりする方も多いのではないでしょうか。急な知らせはいつ訪れるか分かりません。その時に慌てないためにも、そして大人の女性としての品格を静かに示すためにも、上質なブラックフォーマルは、しっかりと準備しておきたいものですよね。

とはいえ、一口に「高級喪服」と言っても、どのブランドを選べば良いのか、価格に見合う品質とは具体的に何なのか、迷ってしまうことも多いと思います。デザインの違いはもちろん、素材感や「黒」の色味まで、選ぶ基準は多岐にわたります。

この記事では、40代以上の女性が「後悔しない」一着に出会うため、質の高い高級喪服の選び方から、心から信頼できるおすすめのブランド、さらには装いを完成させる小物選びのマナーまで、詳細にわたって分かりやすく解説していきます。

  • 50代で喪服を見直すべき本当の理由
  • 品格を決定づける「黒の深さ」の秘密
  • 信頼できる高級ブランドの具体的な特徴
  • 喪服を「一生もの」にするためのお手入れ
目次

40代・50代の高級喪服はブランドで選ぶ

POINT
  • 40代・50代で喪服を新調する理由
  • 喪服の格式と基本的なマナー
  • 品格を左右する「黒の深さ」とは
  • 高級感と着心地を叶える素材選び
  • 体型を美しく見せるデザイン

40代・50代で喪服を新調する理由

40代・50代になると、社会的な立場や人間関係に変化が訪れ、葬儀に参列する際の立場も変わってくることが多くなります。若い頃のように一般の会葬者として参列するだけでなく、故人により近い親族として、あるいは喪主やその配偶者といった中心的な役割を担い、参列者を迎える側になる場面も増えてくるかもしれません。

そのような厳粛な場では、単にマナーを守るという以上に、周囲から見られる「大人の女性」としての揺るぎない品格がより一層求められます。20代や30代で用意した喪服が、体型の変化だけでなく、デザインの流行、そして求められる格式の面で、もはやふさわしくないと感じることは自然なことです。

突然の訃報という、心身ともに余裕のない状況で「この服で大丈夫だろうか」と不安に駆られることは、大きなストレスになります。だからこそ、今の自分にふさわしい上質な一着をあらかじめ準備しておくことは、未来の不安を解消するための「社会的な鎧」を手に入れること、すなわち未来の安心への大切な投資といえるのです。

いざという時に慌てず、落ち着いて故人を偲び、遺族に寄り添うことに集中させてくれる、強力な支えとなります。

喪服の格式と基本的なマナー

女性の喪服の種類

弔事の装いには、故人との関係性や場面に応じて明確な「格式」が存在します。これを知っておくことは、適切な一着を選ぶための大切な基礎知識です。

正喪服(せいもふく)

最も格式の高い装いです。原則として喪主および三親等までの近親者が、葬儀・告別式で着用するものとされています。洋装の場合、光沢のない黒無地で、襟元が詰まり、肌の露出を最大限に抑えたロング丈のデザインが特徴です。

準喪服(じゅんもふく)

一般的に私たちが「喪服」や「ブラックフォーマル」として認識している、最も汎用性の高い装いです。

親族が通夜で着用したり、一般の会葬者が通夜・葬儀・告別式のすべてで着用したりできます。50代で新たに準備する一着としては、この準喪服を選んでおけばまず間違いありません。

略喪服(りゃくもふく)

「平服」とも呼ばれ、急な弔問やお通夜、または三回忌以降の法要などで着用が許される服装です。黒や濃紺、ダークグレーといった地味な色のワンピースやスーツがこれにあたります。「訃報を聞き、急いで駆けつけた」という意を表す装いです。

ここで注目したいのは、現代の高品質なブラックフォーマル(準喪服)の多くが、喪主側が着用しても遜色のない高い格式を備えつつ、一般会葬者として着用しても過度にならない、洗練されたデザインを両立させている点です。

つまり、上質な一着さえ持っていれば、ほとんどすべての弔事シーンを不安なくカバーできるのです。これは、高価な買い物でありながら、結果として非常に実用的でコストパフォーマンスの高い選択となることを意味しています。

品格を左右する「黒の深さ」とは

ブラックフォーマル選びで最も重要ともいえるのが、生地の「黒の深さ」です。一般的なビジネス用の黒いスーツや、安価なフォーマルウェアと並べてみると、その違いは一目瞭然。上質な喪服の黒は、光を吸収してしまうかのような、深く、濃い「漆黒」をしています。

この特別な黒は、「濃染加工(のうせんかこう)」と呼ばれる特殊な染色技術によって生み出されます。これは、繊維の表面に光の屈折率が低い樹脂の皮膜を形成させるなどして、光の正反射を極限まで抑え、私たちの目により濃く、深い黒として認識させる高度な技術です。

高価格帯のブラックフォーマルがその価格である理由の多くは、この手間とコストのかかる高度な染色・加工技術への投資にあります。つまり、価格差は「見た目の黒さ」という、誰の目にも明らかな品質の差として、厳粛な場でこそはっきりと現れるのです。この背景を知ることで、価格の妥当性に納得し、真に価値ある一着を見極めることができます。

高級感と着心地を叶える素材選び

見た目の美しさだけでなく、長時間の儀式でも疲れにくい快適さや、長く愛用できる耐久性も、使用される素材によって大きく左右されます。

注目の素材:トリアセテート

近年の高級ブラックフォーマルで「主役」となっているのが、「トリアセテート」という素材です。木材パルプを原料とする半合成繊維で、シルクを思わせるような上品な光沢と、動いたときに美しいドレープ(揺れ感)を生み出すのが特徴です。

深い黒の発色性に優れているのはもちろん、ウールなどの天然繊維に比べて軽く、シワになりにくいという実用性も兼ね備えています。まさに「品格」と「快適性」の両方を求める大人の女性にとって、理想的な素材として多くの高級ブランドで採用されています。

もちろん、伝統的に最も格式高いとされる「ウール」も、天然繊維ならではの重厚感と、染料が深く浸透することによる濃い黒の発色が魅力です。ただし、デリケートで虫食いのリスクがあるため、保管には少し注意が必要です。

また、かつては安価なイメージがあった「ポリエステル」も、技術の進歩は目覚ましく、濃染加工を施すことで非常に深い黒を表現できるようになりました。耐久性に優れ、シワになりにくく、お手入れが簡単な点も魅力です。トリアセテートやレーヨンと混紡することで、それぞれの素材の長所を活かした高機能な生地も多く開発されています。

体型を美しく見せるデザイン

SOIR PERLE 

年齢を重ねた女性の体を美しく見せつつ、厳粛な場にふさわしい品位を保つデザイン選びも、非常に大切なポイントです。

まず、スカート丈は、椅子に座っても膝が完全に隠れるロング丈(膝下からふくらはぎが隠れる程度)が絶対条件です。短い丈は若作りに見えてしまい、厳粛な場にはふさわしくありません。同様に、肌の露出を避けるため、夏場のワンピースであっても袖は五分丈から七分丈、あるいは長袖が基本マナーとされています。

また、高級ブランドの多くは、50代の女性が気になる部分を単に「隠す」のではなく、「美しくカバーする」ための計算されたデザインを採用しています。

  • 首周りの年齢サインを上品に隠すスタンドカラーやフリルカラー
  • お腹周りや腰回りのラインを拾わない、ゆとりのあるAラインやオフボディのシルエット
  • 二の腕を完全に覆ってくれるアンサンブルのジャケット
  • 腕が動かしやすいよう工夫された「フリーアーム」構造(自由区などで採用)

さらに、最近では着脱のしやすさに配慮した「前開きファスナー」仕様も人気です。ワンピースのフロント部分にファスナーが巧みに隠されており、一人でもスムーズに着替えられるため、「肩が上がりにくくなった」といった身体的な変化を感じる方からも、非常に高い支持を得ています。

後悔しない高級喪服ブランドの選び方

POINT
  • 信頼できる2大メーカーとは
  • 百貨店で人気の高級ブランド5選
  • パンツスーツは避けるべき?
  • 品格を高める小物の選び方
  • 長く愛用するためのお手入れ方法

信頼できる2大メーカーとは

日本のブラックフォーマル市場には、その品質と格式を長年にわたって支え続けている、二大メーカーが存在します。それは「株式会社東京ソワール」と「株式会社東京イギン」です。

東京ソワールは、日本のフォーマルウェアを和装から洋装へと転換させたパイオニア的存在。一方、東京イギンは設立以来、婦人礼服を専門に研究・開発してきた老舗メーカーです。

この二社は、自社オリジナルブランドだけでなく、ランバンやニナ リッチといった海外の著名ブランドのライセンス生産も手掛けており、日本のフォーマルウェア業界の「品質の番人」とも言える存在なのです。

そのため、この二大メーカーの傘下にあるブランドを選ぶことは、生地の選定、濃染加工の品質、縫製技術といった基本的な品質がしっかりと保証されていることを意味します。この大きな信頼の傘の下で、ご自身の好みや予算に合ったデザインを選ぶことが、後悔しないための最も確実な近道です。

百貨店で人気の高級ブランド5選

質の高い一着を選ぶなら、やはり品揃えが豊富で、専門知識を持った販売員に相談できる百貨店のフォーマルサロンが最適です。ここでは、百貨店で特に人気があり、50代以上の女性に推奨される代表的なブランドをご紹介します。

ブランド名展開メーカー特徴
LANVIN NOIR
(ランバン ノワール)
東京ソワールパリの洗練された感性を反映した、モダンでシャープなデザインが特徴。甘さを抑えたクールで知的なスタイルを好む方におすすめです。ファッション性が高く、他とは違う存在感を放ちます。
Aquascutum
(アクアスキュータム)
東京ソワール英国の伝統を受け継ぐ、流行に左右されない普遍的なクラシックシルエットが魅力。控えめながらも「本物」と「上質」を重んじる方、知的なエレガンスを求める方に適しています。
NINA RICCI
(ニナ リッチ)
東京イギンパリのオートクチュールメゾンらしい、女性の曲線美を活かしたフェミニンで優雅なデザインが特徴的。軽やかで着心地の良い高級素材(トリアセテート)を多用しています。
自由区 FORMAL
(ジユウク フォーマル)
オンワード樫山アパレル大手ならではの現代的な洗練に加え、深い黒へのこだわり、前開き仕様や動きやすい腕周りの構造など、着心地の良さを追求した機能性が高く評価されています。実用性も重視したい方に。
Yukiko Kimijima
(ユキコキミジマ)
東京ソワール日本のオートクチュール界を代表するデザイナーによる、優しくフェミニンなディテールが特徴。ミセス層の体型を美しく見せるパターン(型紙)に定評があり、幅広い年代に支持されています。

これらのブランドは、いずれも50代の女性の品格を引き立てるための「深い黒」と「美しいシルエット」を追求しています。高価な投資だからこそ、専門知識を持った販売員のアドバイスを受けながら、実際に試着を重ね、ご自身の体型や雰囲気に最も合う一着をじっくりと選ぶことを強く推奨します。

パンツスーツは避けるべき?

自由区 FORMAL

近年、実用性の高さから、喪服としてパンツスーツを希望する方も増えています。ただし、そのマナーについては、立場や状況によって解釈が分かれるため、慎重な判断が必要です。

一般の会葬者として参列する場合、ブラックフォーマルとしてきちんと販売されているパンツスーツであれば、マナー違反にはならない、というのが現在の一般的な見解です。特に、受付係などのお手伝いをする際や、足腰に不安がある方、防寒対策が必要な場合などには、非常に実用的です。

しかし、歴史的に見て、パンツスタイルはスカートやドレスよりも略式(カジュアル)と見なされる傾向があります。そのため、喪主や近親者といった主催者側の立場で、格式が重んじられる葬儀・告別式において着用するのは、避けるのが無難とされています。

「後悔しない」ための最初の一着としては、いかなる立場、いかなる場面でも胸を張って対応可能な、質の高いワンピースまたはスカートのアンサンブルが最も安全で賢明な投資と言えるでしょう。パンツスーツは、一般会葬者として参列する機会が多い方が、二着目として検討するのが良いかもしれません。

品格を高める小物の選び方

濱野皮革工藝

ブラックフォーマルの装いは、洋服本体だけでは完成しません。バッグ、アクセサリー、履物といった小物の一つひとつにも厳格なマナーがあり、それらすべてが揃って初めて、真の「品格」が表現されます。

基本の小物マナー

バッグ光沢のない黒の布製が、殺生を連想させないため最も格式高いとされます(岩佐など)。一般会葬者なら光沢のない本革も許容されますが、金具が目立つものやブランドロゴが大きくあしらわれたものは厳禁です。A4サイズ程度の黒無地のサブバッグも用意するとスマートです。

アクセサリー:結婚指輪以外で許されるのは、基本的に真珠(パール)のみです(MIKIMOTO、TASAKIなど)。ネックレスは「不幸が重なる」ことを連想させる二連・三連は絶対に避け、必ず白、グレー、または黒の一連パールを選びます。イヤリングやピアスも、揺れない一粒タイプにします。

:光沢のない黒のシンプルなパンプスが基本です。つま先が隠れるラウンドトゥやスクエアトゥを選び、ヒールは太めで、高さ3〜5cm程度の安定感のあるものが望ましいとされます。

ストッキング:肌がうっすらと透ける程度の黒のストッキング(30デニール以下が目安)を着用します。厚手の黒タイツはカジュアルな印象を与えるため、真冬以外は避けるのがマナーです。

メイク:華やかさを排した「片化粧(かたげしょう)」が基本です。ツヤ感を抑えたマットな肌に仕上げ、アイシャドウやチーク、口紅は使用しないか、ごく控えめな色(ベージュ系など)にとどめます。

長く愛用するためのお手入れ方法

数十万円もする高価なブラックフォーマルは、購入して終わりではありません。その価値を10年、20年と長く美しく保つためには、正しいお手入れと保管が不可欠です。

着用後は、すぐにクローゼットにしまわず、まずハンガーにかけて風通しの良い場所で湿気を飛ばしましょう。その後、洋服ブラシを使い、上から下へ優しくブラッシングして、目に見えないホコリや汚れを丁寧に払い落とします。

目に見える汚れがなくても、一度着用した衣服には汗や皮脂が付着しています。長期間保管する前には、必ず専門のクリーニングに出すことを強く推奨します。これを怠ると、数年後にカビや黄ばみ、虫食いの原因となり、高価な喪服が台無しになってしまうことがあるからです。

保管する際は、クリーニングから戻ってきたビニールカバーは必ず外してください。通気性が悪く、湿気がこもる原因になります。代わりに、不織布などの通気性の良い専用カバーをかけましょう。ハンガーは、型崩れを防ぐために肩の部分に厚みのある、しっかりとしたものを選びます。クローゼットにぎゅうぎゅうに詰め込まず、衣類同士の間隔をあけて風通しを確保し、防虫剤や除湿剤を適切に使用することも重要です。

また、年齢による体型の変化は誰にでも訪れます。購入時に信頼できる百貨店などで買っておけば、専門のリフォーム(お直し)カウンターで、デリケートな素材でも美しくサイズを調整してもらえます。こうしたアフターサービスを活用することも、「一生もの」として長く愛用するための大切なポイントです。

まとめ:大人の品格を示す高級喪服

50代の女性が選ぶべき高級喪服について、その理由から具体的な選び方、信頼できるブランド、そしてマナーやお手入れの方法まで、詳しくご紹介しました。最後に、この記事の最も重要な要点をリストでまとめます。

  • 50代は社会的立場が変わり、喪服にもより高い「品格」が求められる
  • 「後悔しない」一着を持つことは、未来の「安心」への投資になる
  • 喪服の格式には3段階あり、準備すべきは最も汎用性の高い「準喪服」
  • 品格は「黒の深さ」で決まり、それは「濃染加工」という高度な技術によるもの
  • 価格差は、この「黒の深さ」という明確な品質の差として現れる
  • 素材は「トリアセテート」が品格と快適性、実用性を兼ね備え主流
  • デザインは体型を美しくカバーし、肌の露出を抑えたものを選ぶ
  • 「前開きファスナー」仕様は、着脱が格段に楽になるため人気が高い
  • 信頼できるのは「東京ソワール」「東京イギン」の二大メーカーの製品
  • 百貨店ブランドは品質が保証されており、専門家のアドバイスも受けられる
  • LANVIN、NINA RICCI、自由区などが50代に人気の代表的ブランド
  • パンツスーツは略式のため、主催者側(親族)は避け、アンサンブルを選ぶのが無難
  • 小物は「布製バッグ」「一連パール」「シンプルなパンプス」が基本マナー
  • 着用後は必ずクリーニングに出し、通気性の良いカバーで保管する
  • 体型が変わっても「お直し」を活用することで、長く美しく愛用できる
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この記事を書いた人

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